【FIREの日常】#66 草刈リストへの道

私の住んでいる地域では年に2回、住民の人たちが協力して遊休地の草刈りをおこなっています。参加メンバーは、消防団や自治会、老人会などに加えて、近隣の農家の方々など約50名ほどで、田んぼに点在する合計4反=約4,000㎡弱の遊休地を草刈り機などで綺麗にしていきます。今回は、私も参加した遊休地の草刈りの様子とその過程で気が付いた草刈り機で草を刈る極意(?)について書いていきます。

9月の第2日曜日に行われた草刈りは、町の集会所:公会堂に朝8時に集合しました。長靴と長ズボンを履き、手袋を着用した約50名の男どもが各々、自分の草刈り機を持って集まったんですが、その様子をはたから見ると、なんともいかつい感じがします。

私も、前の住人が残してくれた草刈り機を持参して集合場所に向かい、見知った顔に挨拶していると、

『そろそろ始めましょか』

『消防団は、〇〇地区』『自治会は〇〇地区』『・・・』

と、本日の主催者(恐らく、農地・水・環境保全対策の方々)から説明がありました。一応、隣保長代理という名目で参加していた私ですが、指示された場所がチンプンカンプンだったため、他の人たちと一緒に知り合いの軽トラックの荷台に載せてもらい、いざ戦場へ!

田んぼの間の農道は細くて、軽トラックのタイヤもギリギリだったので『大丈夫か?落ちない?』とやや不安になったものの、そこは流石に慣れたもの。全く危なげなく細い農道を右に左に5分ほど走ったところに白い旗のようなものが幾つも見えてきます。どうやら、あの旗(実際には、番号が振られたA4の紙でした、、、)のある場所の草を刈るようです。トラックから降りてから燃料を給油して、帽子をかぶり直したら遊休地に入っていきます。

2m近くまで伸びたスギナの群生や、名前の分からない各種雑草が茂みとなって待ち構えている場所に、エンジンを始動させた我がBIG-M(草刈り機のメーカー名)を構えて襲い掛かります。私の愛用機は2週間ほど前、家の草刈りのために新しい刃に付け替えていたので切れ味は抜群、、、のはずが、思ったように進みません。他の人たちは、軽~く右から左に草刈り機を移動させるだけで綺麗な半円形の刈跡ができているのに、私が刈ってる場所の雑草は倒れず立ったままなんです。

「刃が悪いのか?」「草刈り機が不調なのか?」「俺の技術不足か?」

とにかく、周囲の半分くらいのペースでしか進まない。。。

勢い込んで参加しておいて、周りの人の手を止めて草刈りの技術指導を受けるのもどうかと思い、がむしゃらに草刈り機を動かしていると、なんとなく草が倒れる時と倒れない時の違いが分かってきました。草が倒れる時は、鎌を持って手で草を刈るときのように、「スパッ!」と薙ぎ払った場合だけなんです。ただ単に、草刈り機を右から左に動かしているだけは、上手く刈れないようなんです。

このコツをつかんでからは、これまでの遅れを一気に取り戻すべく、気合を入れなおしました。まず、ガス欠で止まったエンジンに給油をして、最後とおぼしき現場に戻り、そして、周囲を見回すと、大きなトラクターが、、、

そうなんです、人力だけでは効率が悪いので、トラクターが各地を巡回しながら草刈りをやってくれていたんです。私が苦労していたスギナも名も知らない雑草たちも、トラクターが通ったあとは粉々になって地面に撒かれています。その様子を眺めながら、『やっぱ、文明の利器は凄ぇ~』と感心していると、全ての作業が完了しました。

集合場所の公会堂に戻って、日当を貰って時計を見ると、11時を少し回っていました。休憩なども適宜取りながらおこなっていたので、実働は恐らく2時間程度でしたが、いい汗をかく適度な運動になったなぁ、なんて清々しい思いで家路に向かいましたが、、、

翌日は背中がこれまで経験したことのないくらい張っていて、ぎっくり腰の前兆を感じるくらい。手には破れた豆の跡。そして、アブに刺された箇所が見たこともないくらい赤く腫れあがっていました。。。

草刈りのスペシャリスト=草刈リストへの道はまだまだ遠いです。