【FIREの日常】#61 近代農業を体験してみた

最近、ご近所の農家さんから玉ねぎの種まきについて『最新の機械を使って、あっと言う間に終わるんだぁ』と教えてもらいました。ただ、聞いているだけでは農業機械の凄さや便利さはイマイチ分からなかったので、実際にお手伝いして、その便利さを体感してみることにしました。今回は、これまで知ることのなかった農業機械の凄さと近代農業の簡便さについて書いていきます。

私の農業経験は、移住してから家庭菜園とお隣から頼まれた玉ねぎの収穫手伝いくらいしかなく、この玉ねぎ収穫も掘り起こした玉ねぎを手で拾って籠に入れるという、機械化には程遠い作業でした。

なので、
『玉ねぎの種まき機械を見せたるわぁ』と言われても、
『(はぁ、またしんどい作業かぁ(T_T) 』くらいに思っていました。

そもそも、6月に収穫を手伝ったばかりの玉ねぎの種まきを、なんで8月下旬にするの?と疑問に思いながらも、地域で共同所有している「集荷場」に指定された時間に行ってみました。
集荷場は、100㎡くらいはありそうな鉄骨造りの高さ4mくらいの建物で、中には長さ4~5m、幅30cmくらいの細長い機械3台が建物のコーナー付近にそれぞれ置かれています。そして、その近くに袋入りの土(ホームセンターで売っているような種まき培養土の大きいやつ)が積まれていて、作業スペースはかなり広くとられています(と言うか、空きスペースがほとんどです)。その中に軽トラックが停めてあり、荷台には200枚ほどのプラグトレイ(玉ねぎの種を発芽するまで育てる薄い容器)が置いてありました。

知人の農家さんから、
『そこのトレイを、こっち(機械の端の方)に置いとって』と声を掛けられ、軽トラックの荷台から降ろして運びます。今回のプラグトレイは1枚で12個×27列の種を植えられるだけの窪みがついたもので、30cm×60cmくらいの黒色プラスチックでできており、もの凄く軽いんです。

そして、この機械、後で調べて見たら80万円もする「玉ネギ全自動播種機」と呼ばれる特殊なもので、確かに優れモノでした。まず、端に20段ほどセットしたプラグトレイがコンベアに乗って下からゆっくり動き始めます。そのプラグトレイに予め充填していった培養土が均一にトレイの穴に充填され、その後セットしてあった玉ねぎの種→上から土(覆土)と流れを止めることなく進みます。

種と土の入ったプラグトレイは1枚あたり10~15秒ほどで出来上がり、あとはそれを軽トラックに積み込むだけで完了です。この日は190枚ほどのプラグトレイに種まきの作業を行いましたが、準備から後片付けまで含めて1時間もかかりませんでした。

ちなみに、最初に疑問に感じた6月に収穫する玉ネギをなんで8月に種まきするのか?という疑問については、『これは1月末から2月初旬に収穫する極早生(ごくわせ)やぁ』とのこと。つまり、新玉ネギとして市場に出回る品種だったようで、ここから収穫時期をずらして5~6種類くらいの品種を蒔くそうです。

このような「全自動播種機」を玉ねぎ用2台とレタス用1台の計3台を地域の農家30軒ほどで共同利用しているそうです。玉ねぎとレタスの産地だけに、作る量も多く、手間もかかるんだと思いますが、これを機械化して省力化している近代農業の凄さ。

あとはITを活用できれば、最先端のDXも実現できるかも。。。