【FIREの日常】#12 田舎暮らしと等価交換 パート2

以前の日記で田舎暮らしのFIRE生活と都会での便利な暮らしを等価交換しているという趣旨の話を書きました。

今回はその続きです。便利な生活環境やサラリーマン時代の報酬などを犠牲にして手に入れた「時間」を次は何と交換するのか、がテーマです。

まずは、やったことのないことに挑戦するための時間に費やします。

とにかく、経験値を増やしたいんです。これまでもやれることには色々と挑戦してみました。山ではゴルフ、海ではスキューバダイビング、熱帯魚の飼育やエジプトまでの一人旅などなど、初めての挑戦はどんなことでもわくわくしました。

この初挑戦への興味が田舎暮らしに向いた結果が今です。DIYで丸ノコや電動ドリルなど色々なツールを初めて使ってみました。家庭菜園では初めて鍬を握ったり野菜を植えたりしました。失敗や反省もたくさんありますが、どうやら試行錯誤することが好きなようです。今年に入ってピザ窯づくりもスタートしました。釣りや家具づくり、淡路島の銭湯めぐりなど、やりたいことはまだまだあります。

最近は一つの分野に突出したスペシャリスト人材が脚光を浴びていますが、私はあらゆる分野の経験を積み重ねることで究極のゼネラリストになりたいのかもしれません。なれるかどうかは、別として (-_-;)

次に、知らなかったことを知るための時間にあてます。

これも経験値に似ていますが、今は色々な本を読んでみたいんです。

『明日死ぬと思って生きなさい 永遠に生きると思って学びなさい。』マハトマ・ガンディーの言葉ですが、この言葉が大好きなんです。まだ、明日死ぬと思って生きる覚悟はできていませんが、学びについては実践しようと努力しています。特に、本は著者の失敗から得た教訓や成功のポイント、セオリーやノウハウなどを惜しげもなく披露してくれています。私が抱える悩みや問題は『世の中で誰も経験したことがない』なんて代物ではなく、すでに誰かが体験し解決済みであることがほとんどです。せっかく先人たちが残してくれた知恵ですから、しっかりと拝借するつもりです。読書の時間はFIRE生活をスタートした私にとってお金以上に重要なものかもしれません。

最後に、色々な人と出会うための時間、です。

勤め人のときも、もちろん人との出会いはありました。転勤する都度、職場のメンバーや一緒に仕事をする同僚、取引先など常に新しく知り合った人たちから良い刺激を受けていました。でも、今から思うとその刺激は同じ系統の刺激だったように感じています。例えるなら、グラニュー糖や黒砂糖、きび糖などどれも違って美味しいけれど、共通してすべて甘い。塩分や香辛料のようなまったく異なった刺激ではなかった、という感じです。

この感覚は早期退職後に通った大学院で知りました。年齢もバックボーンも違う人たちと1年間同じ研究室で過したことで自身の価値観も大きく変わりました。特に、勤め人時代には当たり前だと思って使っていた「言葉」すらも、環境が変われば定義も異なることを知り、とても新鮮な気持ちになりました。

所属するコミュニティーが変われば、私の価値観はもっともっと変わるかもしれません。だから、せっかくの移住したのに自分の殻に閉じこもってはもったいない!色々な人と出会い、新しいコミュニティーに参加することで、新たな自分の一面を見てみたい。そのために時間を使っていきます。

ここまで書いた3つはどれも、お金には換算できないもので、他人にとってはまったく価値のない時間の使い方かもしれません。例えば、農家の方々にとっては私の野菜づくり経験など昔からやっている日常であり、今さら価値など見出せないでしょう。読書にしても、FIRE生活を送っている私と30代でバリバリに仕事をしている誰かとでは同じ本を読んでも受け取るメッセージや価値は異なるでしょう。

それでもいいんです。他人や世間から評価される価値(金銭換算できる交換価値)だけがすべてじゃないと学んだので。自分にしか理解できない価値を追い求めること、これが究極の贅沢な時間の使い方かもしれません。