【FIREの日常】#10 田舎暮らしと等価交換

「等価交換」と聞いて、「錬金術」を思い浮かべた方、私と同じで漫画とアニメが好きですよね。。。

『人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。何かを得るためにはどれと同等の代価が必要になる。それが錬金術における等価交換の原則だ。そのころ僕らは、それが世界の真実だと信じていた。』

これは主人公エルリック兄弟の弟アルフォンス・エルリックが、アニメ版のオープニングで毎回話す決まり文句なんですが、最近、「等価交換かぁ、確かになぁ~」と今さらながら感じる出来事があったので、今回はその辺りを書いていきます。

2021年12月の日記でたびたび書いているのですが、この時期に1か月ほど関東で生活していました。その後、淡路島に帰ってから日記を書いているのですが、やはり生活環境ががらっと変わるんです。

例えば、1か月間生活していた埼玉の所沢近辺では徒歩10分圏内にスーパーだけで3店舗あり、コンビニやパン屋など食料を購入できるお店はその数倍、飲食店はもっと多いのです。毎日、その時に食べたいものを思い浮かべて『コロッケなら、あそこのスーパーだな』などと豊富にある選択肢の中から本日のベストチョイスを決めて食料調達できました。
一方、淡路島の家では食料品を買いに行くのに一番近いお店までは歩いて30分かかり、次に近いお店までは恐らく片道6km以上、歩くと1時間以上かかります。飲食店も徒歩圏内にはありません。このような環境で1か月間も家を空けていると、帰ってから最初にとる行動は空っぽの冷蔵庫に食材を補充するために車で食材の買い出しにいくことでした。

その買い出しの道中で思い出したのが鋼の錬金術師で語られた「等価交換」。何かを犠牲にしなければ何も得ることはできない、というのは本当だなぁ、と。

FIREと田舎暮らしを選んだ私の生活は、徒歩圏内で生活のほとんどを賄える都会の便利さを犠牲にしました。でも、その分、誰にも気兼ねすることなく大きな音で音楽を聴いたり、他人の生活音を気にすることのないストレスフリーな環境を手に入れました。

週に5日、朝から晩まで一生懸命働くことで得ていたそれなりの報酬を犠牲にして、自分の好きなことに割くことができる十分な時間を手に入れました。

そして、会社の元同僚や大学院の学友と気軽に会える距離感を犠牲にして、1か月の間、無償で家庭菜園の畑に水やりをしてくれるような新たなコミュニティ(友人)も手に入りました。

私にもっと能力や器量、財力があれば何も犠牲にせずに、すべてを手に入れることができるのかもしれません。例えば、東京都心に300坪の土地を手に入れ、家を建てられるだけの甲斐性があれば周囲の騒音など気にすることなく便利な都会の生活もできるのでしょう。でも、現実的に考えれば田舎暮らしを実現するためには、やはり「等価交換」が「この世の真実」なんでしょうね。

犠牲にしたものが大きかった分、これから手に入れるFIREの生活も価値が高いものにしなきゃなぁ、なんて思った年の瀬でした。