【FIREの日常】#124 ちょっと真面目にSDGsの話

先日、とある組織から研修を依頼され、SDGsについて2時間ほど話をしてきました。
その資料を作る過程で色々とSDGsについて調べたんですが、私にとっては結構新しい事実が出てきて、知識のアップデートって必要だなぁ、、、って改めて感じる出来事になりました。

そもそも、なんでこんな依頼を引き受けたのか?ですが、私、意外と社会問題や環境問題に詳しいんです。と言うのも、サラリーマン時代にCSR部という部署に2年ほど所属しており、企業の社会的責任(=Corporate Social Resposibility)について仕事として取り組んでいた時期がありました。例えば、環境問題。
全国に300以上の支店や支社、部署がある会社のCO2排出量を計算して、それをできるだけ減らせるような取組みを考えて実践し、それでも残ったCO2は排出権を購入して企業活動から排出するCO2を実質ゼロにする、、、カーボンオフセットなる活動や、森林が持つCO2を吸収する力を維持するために、各地の自治体と提携して森を整備する活動、、、つまりは地元の方々やその地域で仕事をしている社員とその家族と一緒に森の木をのこぎりや時にはチェーンソーで切って間引く、、、なんてこともやっていました。
他にも、生態系を守るために池の水を抜いたりとか、次世代育成として大学に赴いて保険会社の仕組みや活動内容を授業にして講義し、試験までおこない単位を授与するなど、結構珍しい体験をしたことがあります。

その過程で、国際的な動きについても調査することが多く、国連を中心とした各種活動にも参加していました。UNEP FI、PSI、PRI、DJSI、、、これも会社にとって必要なことだと信じて、結構真面目に取り組んでいて、こんな国際的な流れの最新版がSDGsだったのです。なので、今回の依頼も多少なりとも過去の知見がお役に立つかと思い引き受けることにしたんです。

そして、最新の情報を調べていると色々と驚かされることに気が付きました。

一つ目は、SDGsの認知度の高さです。
朝日新聞社の調査によると、SDGsについて知っている人は全国調査で87.0%、東京・神奈川エリアで88.7%と圧倒的な認知度の高さです。例えば、高校生に大学の名前を言って87%以上の人が知っているのは早稲田大学と東京大学くらい。小学生に白地図を渡して、都道府県の場所を正確に指せる割合で80%を超えるのは北海道と沖縄、あとギリ青森くらい。
これらのデータは調査方法にもよるのでどこまで正確性を問えるか疑問なところもありますが、それらを差し引いてもSDGsの認知度の高さには驚かされます。
ちなみに、出元は忘れましたが、関東で聞いた和歌山県の認知度が86%くらいだったそうです。(関西での認知度は当然、96%以上だったと、、、)

二つ目は、10代の凄さです。
SDGsについては中学校や高校でも習うようです。そのためか、SDGsに関するテストを実施した結果を見ると、10代がとび抜けて成績がいい!。平均点で見ると他の年代とダブルスコアくらい違うし、満点を取った人の割合は他の年代の3倍くらいいます。つまり、今の高校生にとってはSDGsに取り組むのは当たり前で、我々のような社会人と言うか壮年・中高年が遅れていることを気付かされます。
今の10代は買い物をするときにSDGsに取り組んでいるかを考慮する人が半分以上いるそうです。この子達も今は親からもらうお小遣いが消費の主な源泉かもしれませんが、あと5年もすれば自ら稼いで使う、、、消費の中心的存在になってきます。その時、どんな基準で商品やサービスを選ぶんですかねぇ~。

三つ目は、価格反応度です。
これはSDGs活動に取り組んでいる会社の商品・サービスを他の商品と比べて「高くても買う」「同じくらいなら買う」「安ければ買う」でアンケートをとった結果なんですが、「高くても買う」人は4人に1人程度でした。ただ、これに「同じくらいなら買う」人を足すと、3人に2人がSDGs活動に熱心な会社を選ぶと答えています。
つまり、他社の商品と価格が同じでもSDGsに取り組んでいることを知ってもらえれば、それだけで自社の商品を選んでもらえる、、、ってことになります。
う~ん、これもどこまで信じるかは置いておいて、差別化がしにくい商品やサービスを取り扱っている会社にとっては目から鱗かもしれません。スーパーにたくさん並んでいる、例えばバナナに、「甘い!」とポップを書くより、「この農園はカーボンオフセット(CO2排出量を実質ゼロ)しています」と書いてある方が選ばれるかもしれない、、、と言うことになります。
にわかには信じがたいことですが、アンケート結果はこのように読み取れます。

こんなデータを知ってか知らずか、中小企業も半数以上はSDGsに取り組んでいるか、もしくはこれから取り組もうと思っているようで、意識が上がっているのは間違いないようです。

ただ、島で生活しているとそれを実感する場面はあまりなく、今回の件では世間から取り残されているような気さえしました。

都会と地方の情報格差を縮める努力、、、さぼるとダメですねぇ~(-_-メ)