【FIREの日常】#29 春はあけぼの

数日前から朝晩の冷え込みもすっかりゆるみ、淡路島も春本番の陽気になりました。今回は移住後の初めての春を迎えたので、この時期の普段様子をばらばらと思いつくまま、雑記形式で書いていきます。

まず、朝は鶯(ウグイス)の声で目覚めます。『ホーホケキョ♬』の声が6時過ぎ頃から聞こえて来てくるので「そろそろ起きるかぁ~」と、ベッドから起き上がります。この鶯、調べてみると鳴くのは雄で自分の縄張りを主張するために鳴くのだそうで、と言うことは毎朝同じ鳥の声で起こされていることになります。

確かに、3月上旬くらいの鳴きはじめの頃は『ホーホケキョ』もたどたどしいと言うか下手に聞こえたんですが、1ヵ月もすると音程も声も良くなり、バリエーションも増えています。こんなところで鳥の成長を感じられるとは、、、今は、あと数週間でこの声が聞こえなくなる日が来るのを寂しく思う日々です。

次に、食べ物ですがもらい物が増えてきます。周りに農家の方が多く、この時期は玉ねぎやレタスの繁忙期になるため、道で知り合いに会うと収穫直後の野菜を頂くことがままあり、これらをアルミホイルに包んで炭火焼きするのにすっかりはまってます。完成したBBQコンロの前にアウトドアチェアを置いてどっかりと座り、火をおこしてから肉などと一緒に網の上に載せます。この時期の取れたて玉ねぎは水分が多いため、ホイルの中で程よく蒸し焼きにされ、出来上がりは熱々トロトロです。終わったあとは全身に煙の臭いをまとい、洗濯物も増えますが、この時期ならではの贅沢を堪能しています。

それから、何かと忙しくなるのも春の特徴かもしれません。芽吹きの季節なので家庭菜園では夏野菜のための土づくりなど準備が盛りだくさんだし、庭の木々は水やりなどのお世話が急に増えてきます。それに雑草や虫対策などなど、やりたいこと・やらなきゃいけないことが目白押しです。移住後はじめての春なので、おそらく夏になったら『しまったぁ、〇〇をするの忘れてた!』なんてことも多々あるとは思いますが、それでも楽しいのでOKです。

あとは、人付き合いが増えてきました。家に人が来てくれてピザ窯でピザを焼いたり、近所の方々に飲みに誘ってもらったり、、、なんとなく、周囲が陽気になったように感じられて、こっちまで明るくなれるのも春ならではなんでしょう。

英語では春が来たことを、”Spring came”(過去形)ではなく、 ”Spring has come”(現在完了形)と書きますが、これには「待ち遠しい」という意味合いが含まれているからだと言います。人種や地域に関わらず、昔の人たちは自然を相手にした生活をしていたからこそ、やっと寒くて厳しい冬が終わって待望の春が来たことの喜びも含めて表現したのでしょう。

私は毎年、この時期にどこかぎこちなく真新しいスーツを着た新入社員が通勤する姿などを見て『あぁ~、春が来たなぁ』と、どこかスイッチが切り替わるように春の訪れを感じていましたが、移住して初めての春は周囲の自然と共にゆっくりとやって来たように思いました。

それでも、都会でも田舎でも”Spring has come.” はウキウキします。