以前の日記で冬場のトレーニングと称して、友人の畑の開墾作業について書きました。今回は、最近のトレーニング兼作業について書いていきます。
最近、トレーニング代わりに薪割りをやっています。そう、あのロッキー・バルボアがイワン・ドラゴとの試合前にロシアのキャンプ地でやっていた有名なトレーニングです。効果は、背中にある広背筋だけでなく、肩や腰や下半身の筋肉強化にも相当効きそうな、まさしく全身運動です。Youtubeで薪ストーブの動画をよく見るのですが、一緒に薪割り作業もやっていることが多く、私も薪割りに少し憧れていました。でも、本当に自分にも薪割りの機会が与えられるとは、、、信じられない気分です。
そもそも、なんで薪割りをすることになったのか?ですが、かなり偶然なんです。2月も後半になり、日が少しずつ伸びて日中はかなり暖かくなってきたので、滞り気味だったピザ窯制作を一気に進めていたところ、散歩途中のご老人がふらっと寄ってこられて、「ここで薪を焚くのかい?」って声をかけてくれました。
少しお話を聞くと、いつか家の中に薪ストーブを設置したいと思い、以前から薪を集めていたらしいのですが、なかなか踏ん切りがつかずに今に至っているとのこと、、、確かに、焚火やキャンプファイヤーなど薪の燃える動画はとても人気で、これを楽しむためにキャンプに行くという話もうなずます。このご老人が暖をとるためではなく、燃える火を見るために薪ストーブが欲しくなる気持ちはよく分かります。そんな話を一通り終えた後に「薪集めに行くときは、是非とも誘ってくださいよぉ」と、ピザ窯の燃料確保のために、ちゃっかりとお願いをしてその日は分かれました。
それから4~5日経ったでしょうか、その日も昼食を終えてから庭でピザ窯制作の作業をしていた時に、後ろでスクーターの停まる音がしました。何かと思って振り返ると、数日前にお会いしたご老人が段ボール箱を抱えて、こっちに向かってきました。明らかに私に用事がありそうだったので、駆け寄って「大丈夫ですか?」「持ちましょうか?」と声をかけたら、「ありがとう。これ、持ってきた!」と。そうです、薪を持ってきてくれたのです。段ボールひと箱分も。
中を見せてもらうと、恐らくナラかクヌギのような薪に最適な木材が10本ほど入っており、しかも2年ほど乾燥させていた、とのこと。正真正銘の上級な薪です。「本当にありがとうございます。助かります」と伝えると、「ちょっと待ってて」と言ってスクーターに乗って去っていきました。
それから15分後に再びスクーターで現れたご老人は、なんと斧と薪割り台を抱えていました。そうなんです、薪割りをするための道具一式も貸してくれたのです。しかも、自宅で採れたという大根と里芋も一緒に。。。
そこから薪割りの授業が始まりました。グリップやスタンス、振り上げる角度など、本物の斧を始めてみた素人の私に懇切丁寧に説明してくれました。それでも、やはり薪割りはとても難しく、まったく上手くいきません。体力ではご老人には負けていないはずなのに、私が斧を振り下ろしても薪は割れてくれないし、そもそもちゃんと当たらない。こんなことを30分ほど続けていたら、ご老人は「じゃ、斧は預けとくね」と言って帰って行かれました。
その後も、何度も繰り返し斧を振って、少しだけ上達したかなぁと思った頃、ふっとあることが頭をよぎりました。
で、これを届けてくれたの誰だっけ?
名前も住所も聞いてなかった。どうやって斧を返しに行こう???