【FIREの日常】#75 玉ねぎ、植えてみた

これまで近所の農家さんを手伝って、玉ねぎの種まき(播種)と種の植わったトレイを畑に並べて芽を出す作業をやってきました。トレイで無事に育った玉ねぎの苗は、その後畑に定植されるのですが、この作業も手伝ってきました。今回は、玉ねぎ定植の様子を書いていきます。

玉ねぎの成長は結構早いです。トレイに入れて畑に並べてから90日ほどで背丈が30cmほどに育ちます。見た目は立派な青ネギ。ただ、植えるには背丈が高すぎるので、約15cmにカットしてから植えます。昔は鎌を使って手作業でやっていたそうなんですが、お手伝いした農家さんは植木用のバリカンで大胆にカットしていました。

プラグトレイに植えられた種は8割ほどが芽を出しており、一つのトレイで約200~250個の玉ねぎが育っています。すでに1㎜ほどの小さくても玉ねぎの面影が見て取れるものや、やけに茎が太いもの、ひょろ長くてこのまま植えても多分育たないだろうなぁ~と素人でも分かるものなど、様々です。

こんなトレイを軽トラに積んで、いよいよを植え付けへ。

畑はすでにトラクターで耕うん、畝立て、マルチ貼りが終わっていて、すっかり準備万端です。そこに半自動の玉ねぎ移植機がドンと鎮座しており、作業開始を待っています。ちなみに半自動というのは、マルチに穴をあけて苗を移植するのは自動なんですが、トレイから苗を取り出して機械にセットするのは人手がいるので、半自動です。

移植機はエンジンが付いており、おそらく植え付けのときに地面に撒いているであろう水を入れるタンクも付いているので総重量は結構な重さになります。これに進行方向の後ろ側に20個ほどのプラスチックのコップのような容器が楕円状に並んでいて、このコップがコンベヤに乗ってゆっくりと移動します。そして、このコップがある場所に来ると底が開いて中に入れた苗が下に落ちるんですが、その苗は同じく移植機で地面にあけた穴に綺麗に落ちていき、その後上から押さえつけされて植え付けの一連の作業は完了です。

この移植機に6枚ほどのトレイを載せて、2人1組で畝の端から植えていきます。人間の作業はトレイから苗を取り出してコップに一本ずつ入れるだけなんですが、最初は素人の私がいるので移植機のスピードをかなりゆっくりに設定したもらいました。苗は土ごとトレイから抜けるものもあれば、抜けないので力を入れ過ぎるとちぎれてしまうものもあり、意外と思った通りになりません。

それでも段々慣れてくると、何となく物足りない気になります。調子に乗って『ちょっとスピードをあげませんか?』などと言いながら少しづつ速度をあげてもらいます。最初は左手だけで一本ずつ苗を抜いていたのが、両手を使って抜くようになり、さらにスピードが上がると、一本ずつ抜いていたのでは間に合わなくなり2~3本を一気に抜くようになります。

これがとても楽しい!!

少しでも他の事を考えたり、よそ見をするとすぐに苗が入らないままコップが遠ざかり、移植機を停めることになります。また、集中していても苗が千切れたていたり未成熟だった場合は慌てて次の苗をトレイから抜かなければなりません。とにかく絶妙な力加減でトレイから苗を取り出し、それを無駄のない動作でコップに入れるという一連の動作にはかなりの集中が必要です。

こんなことを3時間ほどしてから、最後に思ったこと、、、

『昔、ゲーセンでテトリスやってたときの気分と一緒やなぁ~』

30年振りに落下してくるブロックが頭をよぎった移植体験でした。