【FIREの日常】#87 田舎暮らしとゲーム理論

ゲーム理論はご存じですか?知っている方は経済学を学んだことがあるか、かなり変わった人かもしれません(^^)。まだ営業職だったころ、仕事でこのゲーム理論を使ってある事案の入札を勝ち抜く方法を考える機会があり、そのときに本格的に勉強しました。(今考えても、何でこんなことを仕事に使ったのかは謎です。。。)

そして、最近になってなんとなく田舎と都会の生活の違い、特に人間関係や近所付き合いが、ゲーム理論でいうところの「1回限りのゲームと繰り返しゲーム」や「ゼロサムと非ゼロサムゲーム」で説明できそうな気がしています。

経済学と地方移住、、、関係なさそうな事柄を勝手に結び付けて考えてみる、結構好きなんです。という訳で、今回も活動量が減った冬季のネタ不足を補うべく、勝手なことをつらつらと書いていきます。

そもそもゲーム理論とは何ぞや、、、ということですが、ネットで「ゲーム理論 分かりやすく」と検索して出てきた結果が、

『ゲーム理論とは、利害が一致しない複数の主体をゲームに参加するプレーヤーになぞらえ、その意思決定の過程を分析する学問です。たとえばビジネスシーンで商談につく際、お互いにとって何が最善の選択かを探りますね。そのプロセスで活用されるのがゲーム理論です。』

とのこと。要するに、自分と相手が1対1で腹を探り合い、自分の勝ち分を最も多くするための戦略を研究した学問、といったところでしょうか。

この研究のベースになる選択肢は「協力する」か「裏切る」の2択しかなく、そのどちらかを事前に相談することなく同時に選択します。

さらに、この選択によって得点が異なり、

・双方が「協力」の札を挙げれば両方に5点ずつ、

・一方が「協力」したのに相手が「裏切った」場合は、協力はゼロ点、裏切りは10点獲得、

・双方が裏切った場合は、両方とも1点を獲得、

のようなルールを定めます。

これ、1回だけ札(協力or裏切り)を出す場合、どちらを出すのが得だと思いますか?

答えは「裏切り」なんです。詳しい説明は割愛しますが、残念ながら「正直者は馬鹿を見る」は経済学によって証明されています。観光地は食べ物もお土産もなんだか値段が高いなぁと思ったこと、、、ありますよね。これは旅行客は日常的に繰り返しそのお店で買い物をする人じゃない=1回限りゲームなので、「裏切る(高い値段で売る)」のがベストな選択肢になります。

でも、これが1回で終わらず何回も札を出し合いその合計点で勝負を競う「繰り返しゲーム」の場合、最初は「協力」を選択し、あとは1回前の相手の手を真似する「しっぺ返し戦略」が他のどんな戦略よりも有効なんです。相手が裏切るまでは協力し続け、もし相手が裏切ったら次はこっちも裏切る、、、それが最も富を増やす方法だと思うと、なんだかホッとします。

そして、この「協力」or「裏切り」戦略は生きていくうえでとても参考になります。例えば、都会で賃貸暮らしをしている時には、数年おきに引越し(1回限りゲーム)していたので清掃活動や地域イベントは面倒で参加したことはなく(裏切り)、それでもデメリットはありませんでしたし、周囲も大体そうでした。でも、田舎の小さなコミュニティで生活していると地域イベントにはなるべく協力するようにしています。ゲーム理論だとこの選択が地域にも自分にも最もメリットがあるからです。

これって、分譲マンションや職場、家族などコミュニティが小さくなればなるほど「裏切り」によるペナルティが大きくなり、「協力」するしかないことを示していて、田舎暮らしをしてやっとこれを実感することができました。

「情けは人の為ならず(自分のため、と言う意味)」「思えば思わるる」「善因善果」、、、

かなり昔に習ったことわざや四字熟語も同じようなことを言ってます。証明されたのは20世紀に入ってからなのに、実生活で分かっていたんですね。昔の人も凄いし、ゲーム理論も凄い。。。

と、暇なんでこんなことを考えてみました(-_-;)