【FIREの日常】#22 ピザ窯を作ろう(3) 完成編

ピザ窯を作り始めてから2ヶ月が経ち、いよいよ完成しました。しかもBBQコンロもセットで。と言うことで、今回はピザ窯のアーチ作りから仕上げまでを一気にレポートします。

前回はレンガをコの字型に7段分積んだところまで書きましたので、今回はその上に半円状のいわゆるアーチを作る作業になります。この作業はレンガを積むことよりも準備の方が大事で、そこに時間を要しました。

まず、アーチ状にレンガを積むための土台が必要になり、今回のピザ窯だと直径約60cm長さ70cmの半円状の筒を作成しなければなりません。新たにジグソーという木材加工用の道具を購入し、型を作るためにコンパネを丸くくり抜きます。それを半円にカットしてから70cmの板に固定し、その上からプラスチック段ボールで覆って土台は完成です。

次に、アーチ状にレンガを積むために、レンガとレンガの間に挟む楔(くさび)を作ります。ここで40年ぶりに円周率を使いました。直径 × 円周率(3.14)で円周の長さ求め、そこから積むレンガの数と楔の大きさを計算するのです。小学生のころは、「こんなの習って何の意味があるんだ!」などと考えていましたが、まさか40年後に役に立つとは、、、 この楔は底辺が3cm長さが11cmほどの二等辺三角形なんですが、これを先ほどのコンパネの余りから40個ほど作り、準備は全て完了です。

半円状の筒を7段積みのコの字型の上に据えて、楔をはさみながらレンガを積んでいきます。最初こそ耐火モルタルをレンガの間に押し込むのにおたおたしていましたが、何個か積むうちに作業にも慣れてきて、後半はとてもスムーズに進みました。数日後、耐火モルタルが乾くのを待ってからアーチを支えていた筒を引き抜きましたが、アーチはとても頑丈に仕上がっていて、何故か「堂々としている」という言葉が似あうようなたたずまいです。ここまでで作業の90%くらいは完了したので、何度も全体のフォルムを眺めながら「思えば遠くへ来たもんだぁ」とよく分からないことをつぶやきながら、しばし感慨にふけりました。

さぁ、あとはアーチの前と後ろをレンガで塞ぐだけです。レンガを適当に積んでから隙間を埋めるためのレンガを加工していきます。アーチが曲線なので、隙間を埋めるには三角形のレンガが必要で、金づちとタガネを使ってカンカンと加工していきました。もちろん、自分が石工職人になったことを想像し、ここが中世ヨーロッパなら秘密結社フリーメイソンの一員になってたかも、という妄想付きで。。。

そんなこんなで、約2カ月かかってピザ窯は99%完成しました。あとは注文している窯の蓋が届くのを待つばかりです。思い返せば、何もかもが初めてのことばかりで試行錯誤を繰り返していたため、出来上がりは決して格好いいものではありません。でも、とても楽しめたし滅茶苦茶満足しています。

そして、コンクリートやモルタルの作業が大好きになり、ピザ窯完成と同時にBBQコンロを作り始めました。こちらは1週間ほどで完成すると思います。

土や泥に触れると幸せホルモンであるセロトニンが分泌され、心身を健康に保つというのは本当のようですね。実感しました。この延長で、今度は陶芸でも始めるかなぁ。。。