【FIREの日常】#79 避難訓練で思うこと

先日、地域の防災訓練がありました。サイレンが鳴ったら決められた避難場所に集まるという簡単な内容だったので私も初めて参加してみました。

とある日の8時45分に町内放送で『これからサイレンが鳴るけど、これは訓練ですから、、、』的な趣旨の放送がまず最初に流れ、9時に地震発生のサイレンがなり、その数分後には津波発生のサイレンが鳴りました。

それを聞きながら通りに出ると、ご近所さんたちものんびりと避難場所に向かって歩き出しており、挨拶もそこそこに私も避難場所に向かってみました。すると、100名近くの住人が集合地点の高台(お寺さんの境内)に集まっていて、隣保ごとに整列しています。これまでも会社の防災訓練では(みんな面倒くさいとは思いつつ、、、)部署ごとに整然と並んでいる様子は見たことがありますが、住宅街でこんな光景は見たことがないし、私にとっては経験したことがないイベントだったので、地域住民の方々の防災に関する意識の高さに少し驚きました。

会社でのやらされ感満載の防災訓練しか体験したことのない私は、やっぱりこの意識の高さを不思議に思い、周りに見知った顔がいくつかあったので、『こんなにたくさんの人が真面目に参加するんですねぇ』と話しかけたところ、『1年に1回のことだし、普段顔を合わせない人とも会えるから』とポジティブな答えが返ってきました。

都会にはない近所づきあいのなせる業、というか住んでみないと分からない人付き合いの意外な効能=防災や避難などにも一役買っている、という事実を知りまた一つ田舎暮らしのいいところを発見できた朝でした。

が、実は少し不安なことも。

と言うのも、同じ日の夜に地元の人たちと集まって飲んでいたんですが、そのメンバーの顔は集合場所で見た記憶がなく『あれ?今朝の避難訓練出てました?』と尋ねたところ、『あぁ、テレビ見ててサイレンの音が聞こえなかった』とか『今日だった?忘れてた』なんてコメントがちらほら。

そうなんです。確かに、サイレンの音って少し小さい気がしてたんです。

これまでも町内放送が流れることはあったんですが、家の中で作業をしていたり音楽を聴いていたりすると、外で放送が流れていることまでは分かっても、何を言っているのかは聞き取れなかったんです。命に係わる災害のサイレンが聞こえない、、、やっぱり問題だと思うわけです。

なので、私はスマホに「ひょうご防災ネット」のアプリを入れています。これだと台風や大雨の際の兵庫県や南あわじ市からの連絡(危険地域や避難情報など)はもちろん、先日の訓練も通知してくれます。万が一、町内放送やサイレンを聞き逃しても、スマホを見れば状況が理解できるようになります。

町内放送という、おそらく50年以上続いている慣れ親しんだ災害情報の発信はこれからも続けていくべきだと思います。一方で、より便利で確実な方法が開発されていて、それを活用しないのはもったいない話です。アナログかテクノロジーか、の2者択一ではなく、命にかかわることは併用することが重要なんでしょう。

でも、テクノロジーを使う(例えば、スマホ)のにはある程度の教育が必要なんですよねぇ。

これを誰が担うのか。

今、そんなことを真剣に考えている地域の有志がいます。私も協力するつもりです。

高齢者にスマホの使い方を教える、、、いろいろ良くなるんじゃないかなぁ。