【FIREの日常】#55 地域を起こす人たち

先日、南あわじ市で募集していた地域おこし協力隊の2次審査がありました。私の住んでいる阿万地区を中心に活動してもらう目的で募集していたもので、募集枠1名に対し3名の応募がありました。今回、地域の人からの紹介でその応募者の人たちと話す機会を持つことができたので、その感想をなどについて書いていきます。

まず、地域おこし協力隊が何なのか、、、という話ですが、総務省のホームページから一部抜粋すると地域おこし協力隊は、都市から過疎地域等に住民票を異動し地域協力活動を行う制度で、将来的にはその地域への定住・定着を図る取組のようです。具体的には、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの活動をするようですが、つまり地域のためになることなら何でもありって感じです。日本全国では令和3年度で約6,000名の隊員が活動していて、さらに増やす予定のようです。

このように国策的な背景もあり、我が阿万地区でも地域の活性化に向けて外部の人に活躍して欲しいという狙いを掲げて今回の募集に至ったようで、そこに3名もの応募がありました。

そして、ここからは私も関わることになったんですが、3名の応募者から1名を選ぶにあたり 阿万地区の実情を知ってもらうために「お試し協力隊(仮称)」が実施されました。内容は、2泊3日で阿万地区の産業を見てもらったり、住人の人たちを触れ合ったり、、、などを体験してもらい、より現実味のある協力隊の活動イメージを持ってもらいました。

私のパートは、2日目の午後に開催された「阿万地区の抱える課題と未来像について」と言う小難しいテーマの討論会でファシリテーターの役割を仰せつかりました。参加者は、応募した3名に加えて、阿万地区選出の市議会議員2名と地元出身で起業している方、市役所職員などなど、総勢13名がテーブルを囲んでいます。そんな仰々しい会場でしたが、皆さんの話はいたって面白く、進行するのも楽な討論会でした。

話の中身を少しだけ書くと、「地方移住で必要なスキルはコミュニケーション力」とか「地方でもニッチな分野(今回の話では太巻きでした)で活躍できる」「この地域は人手不足が顕著で、特に雇用したいスペックの人材が集まらない」「(都会と比べて)情報不足になりがちなので、何をするにしても情報入手の方法は確保すべき」などなど、、、兎に角ためになる話がたくさんありました。

本当は、もっと詳しく書ければいいんですが、許諾を得ているわけではないので内容についてはこの程度にして、このイベントを通じて「地域おこし」について感じたことを最後に書いていきたいと思います。

率直に感じたのは、誰もが自分の住んでいる地域を活性化したいと想っているのに、そのビジョンや活性する程度が人によってこんなにも違うんだぁ、これはまとまらないぞぉ、でした。政府が旗をふり、一元的に「地方おこし」って掛け声をかけても全然進まないのは、その地域に暮らす人たちがそれぞれ異なる未来を見ているので、議論が噛み合わないというかすべてに合う解決策が無いんだと感じました。

それでも、ちょっとずつ少しずつでもいいので「前より良くなった」と評価される行動をとる人たちが「地域を起こす人たち」なんでしょう。応募した3人だけじゃなく、このイベントに関わった人たちも、イベントには関わっていなくてもこの地域で日々生活している人たちだって協力隊なんでしょうね。

こんな括り方では意味が無い気もしますが、「地域おこし」なんて特別なものじゃなく、その土地で生活していれば極々当たり前の日常だった、、、そう感じた貴重な場でした。