【FIREの日常】#83 移住して幸せになったのか(前編)

2022年の最終回と2023年初回の2回に分けて「結局、移住して幸福だったの?」について、できるだけ分かりやすく書くことにチャレンジしてみます。まず、この記事の前提として、  そもそも「幸福って何?」について定義し、次に過去と現在を比較することで移住することで幸せになっているのか、を考えてみたいと思います。

(正直、冬になって行動量が落ち書く内容が無くなってきたので、苦し紛れの与太話だと思ってお付き合いください(-_-;))

まず、幸福な状態について定義します。これについては人それぞれ基準や物差しが違うため、例えば、環境や年収などなどが似通っていても感じ方は様々です。東京都心の高級マンションに住む年収2,000万円の人は傍から見ると幸せそうでも、仕事や人間関係、将来に悩みや不安を抱えて幸福感がなかったり、逆に少し不便な地方都市でパートしか仕事はないけれど、昔からの友達や家族が近くにいて、日々子供の成長を感じながら大きな不満や不安もなく幸せそうに暮らしている人もいます。こんな風に「幸せな状態」を定義するのは難しいので、今回は「幸福学」なる学問から御知恵を拝借して考えてみます。

幸福学では人には、①長続きしない(短期的な)幸せと、②長続きする幸せ、の2種類があるとしています。

①は地位財と呼ばれるお金やモノ(家とか車など)、地位(役職など)で人と比べられるもののことです。これらから得られる幸福は自分より上の人が見つかるとすぐに幸福感が失われ、また次が欲しくなる、、、といった幸福欠乏症のスパイラルに陥りがちです。例えば、憧れだったHUBLOTの腕時計を買ったとして、最初の頃はその時計を腕に巻くたびに幸せを感じていられますが、使い慣れてキズや汚れなどが目に付いてくると新しい腕時計が気になり始め、最初に身に付けた時の幸福感は徐々に減っていきます。

一方、②の長続きする幸せは非地位財と呼ばれ、周囲の環境や人間関係に恵まれているとか、健康だ、とか他人と比べられない「心の要因による幸せ」のことです。

個人的にはこの2つ、両方とも大事だと思います。②は積み立て貯金みたいなイメージで毎日少しずつでも貯めておかないと、気付いたら不安や不満だらけで生きていくのに嫌気がさす、、、なんてことになりかねず、人間の生きる根幹にかかわります。ただ、非地位財で幸せを感じるためには、それを手に入れるための行動を長期間続けなけれならず、それがなかなか難しい。健康は大事だし、そのために毎日運動しなきゃいけないのも、よ~く分かっている。。。でもなかなか 続かないもんです。

そして、①の地位財は短期的な目標なのでモチベーションに繋がりやすい。欲しい時計を買うためにアルバイトを増やしたり、年収アップに向けて頑張って営業成績の上位を目指したり、、、長続きはしないものの一時的に大きな幸せを感じるための「やる気スイッチ」にはなります。ただ、「移住して幸せか?」という今回の問いに適した尺度ではなさそうです。過去と比べて家や車などモノは増えましたが、これは欲しくて買ったものではなくて生活するうえで必要だったから手に入れただけです。言うなれば、スーパーで野菜や総菜を買う感覚と似ていて、  これらを買ったからといって幸福感が上がった訳ではありません。

なので、今回は「幸せな状態」の定義を「長続きする幸せ(非地位財)を持っていること」  とし、これらについて過去と現在を比較して分析することで「移住して幸せだったのか」の解を求めていきます。

と言うところで1,500文字を超えたので、続きは次回にします。次回は、幸福学で非地位財を因子分解してくれているので、それを使って考えていきます。