雑感:地方移住と仕事

コンサルタントという仕事柄、一般の方よりも経営や起業に関する相談を受ける機会は多いのですが、特に淡路島では都会で圧倒的多数を占めるサラリーマンの割合は低く、小規模や零細企業の経営者・自営業者の割合が高い印象を持っています。

まぁ、よく考えれば当たり前のことで「人が集まる⇒仕事が増える⇒人手が足りなくなる⇒人が増える⇒仕事が増える」というサイクルが回っていて、それが都市化や人口集積、引いては地域間格差問題などになっています。しかも、これは日本のある地域だけで発生している訳じゃなく、世界中のあらゆる場所で起こっている事実で、既に人口の55%は都市部で生活しています。つい30年ほど前までは、圧倒的に農村部に住む人口の割合の方が大きかったのが、2007年にそれが逆転し、今は加速度的に都市部に人口も仕事も集まっています。

では、地方で仕事をするのは難しいのか?

結論から言うと、サラリーマンになるのは難しいです。そもそも、勤める先が少ないのと雇う人数も少ないので、アルバイトの募集は結構ありますが正社員として都会並に稼ぐのは狭き門を勝ち抜く必要があるように感じます。例えば、幸運にも全国展開している保険会社のような企業の淡路営業所の仕事に空きがあってそこに採用してもらえれば、かなりいい条件で働くこともできますが、、、そんな偶然はあんまりないかと。

そうなると、選択肢は必然的に「独立」「開業」など自営業に絞られてきます。でも、これもなかなかに厳しい(-_-メ)
まず、地元の人を相手に商売することを考えた場合、市場規模が小さいので顧客になる人の数も多くはありません。例えば、人口150万人の神戸市で商売をした場合、0.01%の人に深く共感してもらえるサービスなら年間150人に利用しえ貰えますが、淡路島だと12人になってしいます。
淡路島も神戸市も似たような面積なので商圏が同じだとすると、
①10倍以上売れるサービスを考える(0.01%を0.1%にする)
②10倍の値段で売れるサービスにする、、、こんなことをクリアする必要があります。

それなら、観光客を相手にした商売ならどうか。

こっちの方が上手くいく可能性は高いと思います。年間900万人もの観光客が訪れる淡路島はじゃらんの『もう一度行きたい島』で第1位に選ばれ、関西エリアだけでなく日本中で人気があると言えます。そんな人気沸騰中の場所なので、これからも観光客をターゲットにした商売は未来があるとも言えますが、一方で競争はもの凄く激しいです。
特に、人が集まる人気エリアは大手の資本と過去に幾つものプロデュースを成功させた専門家がタッグを組んで押し寄せていて、素人の個人商店が対抗するのは不可能だと思います。人気エリアから少し離れた場所にそれっぽいお店を出して、集まってくる観光客のおこぼれを拾うことはできるかもしれませんが、それもどこまで効果があるかは、、、

じゃあ、開業も辞めた方がいいの?と言うつもりはありません。

淡路島に限らず、地方は開業に向いていると思っています。まず、開業資金が少なくて済みます。そして、生活費、特に土地代の安さに併せて家賃が安くて済みます。この点は開業するにあたってとても重要で、都会で商売を始めるより圧倒的にリスクが低いんです。
つまり、都会の商売はハイリスク・ハイリターンで地方はローリスク・ローリターン。上手くいけばミドルリターンくらいは期待できます。これは個人の意見ですが、人生一発勝負のような商売のやり方はお勧めしません。失敗することを視野に入れて、もし失敗してもやり直しの効く範囲でビジネスをするのが健全だと考えています。そういう意味で、地方は失敗の痛みが少ない「起業向きの土地」です。

また、都会にある商売の真似をするだけでも上手くいく可能性が十分あります。例えば、都会だと目新しくもないUberEatsなどの宅配業も、地方に行けばピザすら配達してもらえないことはよくあります。我が家もマックデリバリーのサービスは受けられません。
もし、個人で複数の飲食店と契約して宅配サービスを個人で開業したら、他にはないサービスとして成功するかもしれません。(ちゃんと調査・検証していない、あくまで思い付きです)
地方では、これまで誰もやっていないような斬新なビジネス・アイデアが思い浮かばなくても『あれって、いいなぁ~。真似したいなぁ~』でもビジネスが始められます。

こんな風に考えると、地方で商売を始めてみて、上手くいったら都市部に攻め込む、、、このやり方が成功失敗のどっちに転んでもいいんじゃないかと。

小学生の時に誰しもが書いた「将来なりたい職業」は、ほとんどの人がサラリーマンでなかったはずで、今でも会社勤めに疑問を感じている人は多いと思います。
地方は独立開業に向いています。ちゃんと勉強してしっかり準備すれば『やりたかったこと』を実現するチャンスは一杯あると思います。

起業するなら、是非とも地方で!