仕事柄、人前でしゃべることがあります。先日も商工会で開催するセミナーの講師を依頼され2時間ほど話をしました。こんな仕事なので、たまぁ~に質問されるのは、
『人前でしゃべるの、緊張しないですか?』といったものです。
私自身、緊張していない訳ではないんですがそれが顔や態度に出ないようです。と言うのも、サラリーマン時代に人前で話す機会が結構あったので、おそらく自分なりのやり方が出来ていて、それが大学院の毎日のプレゼンで強化された、、、って感じでしょうか。
今でこそ人前に出るのも慣れましたが、20代後半のころ初めて経験したプレゼンではもの凄く緊張したことを覚えています。確か、支店の会議室に社員が100名くらい集まり、一人ひとりが順番に演台に立ち活動報告をするみたいな場だと記憶していますが、自分の順番がまわってくるまではずっと手が震えていて、他の人の話は全然聞こえていない、、、といった状態でした。
その後しばらくはそんな機会も無かったんですが、本社の企画部門に異動になってからは回数があっという間に増えました。毎年の新入社員研修の場で会社方針や戦略を説明したり、大学生向けの寄付講座(企業がボランティアで学生向けに出前授業をする制度)でCSR(企業の社会的責任)の講義をしたのは片手では収まらないほどです。
こんな経験を繰り返していると、自分なりのやり方が少しずつ分かってきました。
・読み原稿は作らない
・プレゼン用の資料を観ながら練習を繰り返す
・練習は本番と同じで立ち上がってやる
・時々、時計を見る
初めのころは一生懸命、見やすく読みやすい原稿を作っていたんですが、本番で会場を見ながら原稿も見る、ということが苦手できなくて失敗したことがありました。原稿から目を離した途端にどこを読んでいたのか分からなくなり、言葉に詰まって読む場所を焦って探し、その間は気まずい沈黙が流れる、、、なんて身の毛もよだつ出来事が1回の講義で数回ありました。
こんな嫌な大失敗をしてからは原稿を読むことはあきらめて、すべて覚えるようにしました。資料をみながら、ここでは『〇〇、、、』と話し、次の場面ではこれ、、、といったように条件反射で言葉が出るまで練習します。こんなやり方を何回か繰り返していると、そのうち手元に資料がなくても練習できるようになり、散歩の最中や移動中に車窓を眺めながら頭の中で資料を思い浮かべ、それに合わせて話すフレーズを無言でしゃべる、みたいなことができるようになりました。ここまで出来ると練習時間の確保が楽になり、結構な回数をこなすことで記憶に定着するのと、自信につながりました。
それでも始まる直前は緊張はします。特にセミナーなどで司会者から紹介されているときは、緊張のピークです。でも、登壇して練習した第一声を発したら、なぜか緊張もとれて、あとは資料のスライドを見るだけで、スラスラと言葉が出てきてくれるまでになりました。不器用なやり方かもしれませんが、緊張を練習量で乗り切っている、、、というのが私のやり方です。
もっと上手いやり方もあるのかもしれませんが、人前で話すことが苦手な人、、、試してみるのもありだと思いますよ。。。